So-net NURO光を自宅に導入したら速度がぶっ飛んだ。インターネット接続の仕組みからNURO光を考える
僕は数年前までプロバイダーに勤務していたのですが、当時出てきたサービスで最も驚いたのがSo-net のNURO光です。結局、自宅に導入したのですが、今回はインターネット接続とNURO光仕組みを紹介してみたいと思います。
そもそもインターネット接続の仕組みってどうなってるんだっけ?
インターネット接続の世界をよく知らない人向けにちょっと解説してみると、固定回線でインターネットに接続する仕組みは以下のようになっています。
インターネット回線業者はNTT東西が圧倒
インターネットの世界に繋がるまでに、2つのプレイヤーを経由しています。まずは、インターネット回線を提供している回線事業者です。回線事業者は、莫大な投資をして、光ファイバー網を全国に張り巡らせています。
投資額があまりに大きいので、参入できる業者の数はかなり限られています。以下はMM総研が発表している2017年3月時点の光ファイバーの回線事業者とサービス別のシェアです。
サービス別は、プロバイダーのことではなく、インターネット接続回線のサービス名のことです。サービス名を見るとフレッツ光、ドコモ光、auひかり、Softbank光、eo光、コミュファ光、UCOM光などの名前がずらりとありますが、回線事業者を見るとNTT東西がシェアを圧倒しています。
つまり、インターネット回線サービスの多くは、NTT東西やKDDIが引いた光ファイバー網を借りて提供している訳です。
プロバイダーは何をしているのか
では、インターネットサービスプロバイダー(ISP)は何をしているのでしょうかインターネットサービスプロバイダーは回線そのものは持っていませんが、回線をインターネット接続網に繋げるための出入り口を提供してくれています。
以下が、MM総研が発表している2017年3月時点のインターネットサービスプロバイダーのシェアです。ノジマに売却された@niftyの漲落ぶりが何とも切ないですね。
インターネットの速度はインターネットの回線に依存している
時々、同じフレッツ光でも、A社のフレッツは遅くて、B社のフレッツ光の方が早いと言った表現を聞くことがありますが、同じインターネットの接続回線ならば、プロバイダーを変えても速度は変わりません。
So-net NURO光とは何なのか?
So-net NURO光とは、インターネットサービスプロバイダーの一つであるSo-netが2013年にサービスを開始したインターネット接続サービスです。
このサービスが業界でどれだけ衝撃的だったのかは、以下の図をみれば少しお分りいただけるかと思います。
インターネット回線事業者にとって、プロバイダーは自分のサービスを売ってくれる代理店のようなものです。ですから、ユーザーは今までインターネット回線事業者とプロバイダーの2つに別々の契約を強いられてきたわけです。
しかし、この代理店の一つが、ある日突然
「回線事業も美味しそうなので、自分たちも回線事業を始めちゃいました。アハ!」
と言ってきた。まあ、こんな感じです。
NURO光のインターネット回線の正体はNTT東のダークファイバー網
インターネット回線としてのNURO光の正体は、NTT東のダークファイバー網です。ダークファイバーとは何とも怪しい名前ですが、決して怪しいものではありません。
NTTは莫大な投資をして、日本全国に光ファイバー網を広げていきました。しかし、この光ファイバー網ですが、全然使いきれていないのです。全国に高速道路を張り巡らせたが、車はスカスカ。
そこでNTTが考えたのが、使っていない光ファイバー網のレンタルサービスです。このあまり使われていない使っていない光ファイバー網のことを「ダークファイバー」と呼ばれています。
So-net はこのダークファイバーをNTT東から卸してもらい、プロバイダーサービスと合わせてワンストップサービスとしてユーザーに提供している訳です。
ただ、今のところ一都六県だけがサービスの提供範囲となっています。
NURO光の特徴は伝送規格とONUにある
NURO光の速度の秘密は、伝送規格G-PONにあります。伝送規格光ファイバーでデータを転送する時の技術のことですが、以下の通り、フレッツやauひかりが採用しているGE-PONと比較すると最大速度に大きな優位性があります。
サービス | NURO光 | フレッツ・auひかり |
---|---|---|
伝送規格 | G-PON | GE-PON |
最大速度 | 2.48Gbps | 1.25Gbps |
他社もG-PONに切り替えればいいじゃん!と思うかもしれませんが、GE-PONからG-PONへの切り替えには莫大な投資が必要になるため、そう簡単ではありません。
現時点では2Gbpsの速度は活かせない
さらに、もう一つ別の問題があります。それは、基地局から自宅のホームゲートウェイまでは最大2Gbpsが実現できますが、ホームゲートウェイからパソコンまでは通常のLANケーブルを使うことになります。
このLANケーブルの最大転送速度が1Gbpsなのです。
どんなに速いスピードで自宅まできても、自宅で強制的に速度を落とされてしまう訳です。新幹線で走ってきたのに、強制的に快速に乗り換えなければならないようなものです。
参考までに、以下の黒いものが僕の自宅にあるホームゲートウェイ(ONU)です。左の白いものはひかり電話用の機器です。
それでもNURO光は速い
しかし、NURO光の速度は本物です。以下は、自宅でデスクトップPCから速度を測ってみたものですが、上下ともに800Mpbsを超えています!
さらに、ONUに内臓されている無線Wifiの速度ですが、これも十分なレベル。下り36Mbps、上り27Mbpsです。この速度はフレッツ光のマンションタイプでLANケーブルを使って出ていた速度と同じくらいです。
料金面でもNURO光は優位
以下は、主要3サービスの月額基本料金の比較です。インターネット接続は複雑怪奇な割引キャンペーンのオンパレードですが、光回線の契約は長期に渡ることが多いため、割引キャンペーン終了後の金額で比較することがポイントです。
サービス | NURO光 | フレッツ光 隼 | auひかり |
---|---|---|---|
速度 | 2Gbps | 1Gbps | 1Gbps |
光月額料金 | 4,743円 | 6,200円〜7,200円 | 4,900円 |
ひかり電話 | 500円 | 500円 | 500円 |
フレッツ光の料金に幅があるのは、プロバイダー料金に各社違いがあるからです。また、auひかりは一年目、二年目、三年目に段階的に料金が下がってくるため、三年目の料金を記載しています。
こうして見ても、NURO光の方が安いことがわかります。
まとめ
いろいろと書いてきましたが、NURO光は間違いなく速度重視のユーザーにはおすすめのサービスです。残念ながら今のところ関東の一都六県しか対応していませんが、戸建、マンション両方対応しています。詳しくは以下のページを参照ください。