外資系ヘッドハンティング会社社長が教えるプロフェッショナルネットワーキングの勧め
先日、ネットワーキングの大切さについて学ぶセミナーに参加したので、備忘録もかねて教えて貰ったことを記載してきます。
講師は外資系ヘッドハンティング会社の社長。アメリカ人ながら日本語はペラペラ。米国の名門大学でMBAを取得した後、主に外資系の企業で様々なシニアマネージャーのポジションで活躍し、数年前から某外資系ヘッドハンティング会社で代表取締役として働いている人です。
ネットワーキングは違う日本語で「コネ」と言う言葉がありますが、どういう訳か「コネ」という言葉は総じてネガティブな文脈で使われることが多いのではないかと思います。
しかし、アメリカではネットワーキングは就職や転職活動の非常に大きな比重を占める活動で、良いネットワーキングを持っていることは、その人のプロフェッショナルとしての実力を図る一つの指標になっていると思います。
以下、本日のセミナーで教えて貰った事です。
ネットワーキングがなぜ重要なのか?
以下は、そもそもなぜネットワーキングが大切なのかという理由です。
- 正しい人を知っていれば、自分自身ではたどり着けない場所に導いてくれる
- ネッットワーキングは新しい可能性を開いてくれる
- 厳しい状況になると顧客はあなたを見捨てるが、友人は見捨てない
これは全く同感で、僕自身、今の職場は4社目ですが、一般応募で新卒で入社した会社以外、すべて人との繋がりがきっかけです。
どのようにネットワーキングを始めるのか?
スポーツと同じようにネットワーキングも訓練あるのみ。普段から様々なネットワーキングの機会を活用するべき。以下はその例。
- ネットワーキングイベントや業種交流
- 専門家のネットワーキング
- LinkedInなどオンラインネットワーキング
- 大学の卒業生のグループ
アメリカにおいては、ほとんどのエグゼクティブはLInkedinをネットワーキングに活用している。Linkedinのアカウントを常に魅力的にしておく。Linkeinはオンライン上の履歴書である。
ネットワーキングではVCPを意識する
ネットワーキングを広げる上では、VCPを意識することが大切。VCPとは、Visibility(可視性)、Credibitiliy(信頼)、Professionatily(プロフェッショナリズム)の3語の頭文字を取ったものです。
- Visibility(可視性):あなたが誰で、何をしているのか知ってもらう
- Credibitiliy(信頼):人として信頼を得る
- Professionatily(プロフェッショナリズム):一緒に働きたいと思って貰える
ネットワーキングでは多様性を求めることが大切
多様性のあるネットワークを持つことはとても大切。自分が快適な人たちだけと繋がっていると、ネットワークの規模はとても小さくなる。多様な人たちと交流することで、ネットワークの規模は広がっていく。
ネットワークを維持する
時間が開いたらまめに連絡を取って人間関係を維持する努力をする。現代は以前よりも人との繋がりを維持できる手段が多くある。電話、メール、LINE、Facebook、Linkedinなど様々な手段を活用して、人との繋がりを維持することが大切。
一度切れてしまった人間関係があっても、恐れずにもう一度繋がる努力をする。
受けるより、与える方が幸いである
普段から周囲の人たちが必要とすることをあなたが提供していれば、あなたが必要な時に助けてもらえる可能性が高まる。良いネットワーキングがあれば、様々な機会は自然にやってくるもの。
エレベータースピーチを練習する
ネットワークを広げる上で、自分自身が何者なのかを簡潔に相手に伝える必要がある。相手に伝えるためには、エレベータースピーチと呼ばれる30秒自己紹介ができるように練習をすると良い。
以下、エレベータースピーチのポイントです。
1)自分自身の強みや特徴を現わせるポイントを3つ挙げる。
この3つはどこの大学を出たとか、どの会社で働いているかとか、今何をしているかということよりも、自分自身はどんな強みがあるのか、どの分野なら誰にも負けないのか、どんなことをに情熱を感じるのか、といったところに焦点を当てる
2)短い時間で自分のアピールができるように、3つ挙げたポイントの表現を練る。
ちなみに講師の外資系ヘッドハンティング会社社長は自分自身のことを、
- ネットワーキングのマスターブラックベルト(黒帯)
- どんな難度の高い仕事でもやり遂げるフィニッシャー
- 日米のマーケットと言葉に習熟したバイカルチャー人材
と表現していました。こういったすごい表現で自分自身を売り込むところは実にアメリカっぽいです。
しかし、自分が誰かを採用しなければならないような時に、自己紹介で上記のようなことを言ってくるヘッドハンターの社長が現れたら、思わず仕事を頼んでしまいそうです。
3)それぞれのポイントに対し、強力なバックアップストーリーを用意しておく
もっと詳しい話ができるだけの時間があった場合、それぞれのポイントをバックアップできる具体的なストーリーを用意しておく必要があります。そうでないと、単なる看板倒れになり兼ねません。
例えば、外資系ヘッドハンティング会社社長はネットワーキグのマスターブラックベルトとしての一つの証として、自身のLinkedinのネットワーキングが5000を超えていることを示していました。そして、彼の手がけた案件のうち半数以上は彼自身のLinkedinネットワーキングから制約したとのこと。
こういう具体例を説明されると、良い人材を紹介してもらえる可能性が非常に高そうだ、と言う印象を持てるのではないかと思います。
4)ひたすら練習あるのみ。
自分を売り出すことは誰にとっても恥ずかしいもの。ひたすら練習あるのみ。
まとめ:ネットワーキングは農業と同じ
ネットワーキングはハンティングと言うより、むしろ農業に似ている。すぐには結果は出ないが、時間をかけて育てることにより、大きな収穫を期待することができる。ネットワーキングを広げる努力は今から始めるべき。