株式投資の決算発表には魔が潜むと思った話|アーバネットとスカラの通期決算の教訓

好調だった株の運用。手持ち資金の9割を3銘柄に振り分けて運用していたのだが、そのうち2銘柄が通気の決算発表。

しかし、この8月の通気の決算発表で、何と二つとも大暴落。奈落の底に叩き落とされました。しばらく株をやるのが嫌になっていましたが、2ヶ月ほど経ってようやく冷静になってきました。

 

アーバネットの決算

アーバネットの決算ですが、結局今期は非常に好調でした。売上高、営業利益、経常利益、純利益など全てプラス。よし!ここまでは予定通りです。

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やられたのは来年の業績予想。来年の業績予想では売上がマイナス10%、営業利益がマイナス38%、経常利益がマイナス42%、純利益がマイナス36%と大幅に悪化するとの予想。

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市場はすぐに反応し、結局以下の通り大暴落。未だ回復していません。

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スカラの決算

スカラはソフトブレーン買収により大幅な増収増益でした。売上、営業利益、利益共にすごいことになっています。

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しかし、この決算発表を受けた市場はまさかの大暴落!!900円近くから一気に700円台まで落ち込みました。

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今回の教訓

教訓1:マンションディベロッパーは業績の浮き沈みが激しい

まず、今回の教訓の第一はマンションディベロッパーは業績の浮き沈みが激しいということです。

マンションディベロッパーの場合、土地を購入し、長い工期をかけてマンションを開発し、そして開発が完了したものを販売会社や一般ユーザーに販売する、という流れを取ります。

まず、この土地購入の競争が激しい。利便性の高いエリアというのは限られているため、どの業者も同じようなエリアを物色しているわけです。

さらに、土地を購入してから建設まで一定の時間がかかる上、販売にもかなりの手間と時間がかかります。アーバーネットの場合は販売業者に一括して販売しているようですが、この方法は売り残りリスクを低減できる反面、当然一般ユーザーに直売する形よりも利益が下がってしまいます。

また、オリンピック前の建設需要の増大から、業界全体の費用が上昇していて、コスト増の要因になっています。

いずれにせよ、こうした浮き沈みが激しい業界のビジネスモデルの銘柄は業績がはっきりと見通せている数ヶ月単位の保有が安全であると学びました。

教訓2:株価は期待値で動く

もう一つのスカラですが、圧倒的な好業績にも関わらず株価は暴落しています。この理由を解明する答え、それは期待値ではないかと思います。

スカラですが、増収要因はソフトブレーンの買収です。敵対的買収により同社を傘下に納めた同社ですが、ソフトブレーン社から嫌われ、全くシナジーを生み出せていません。

買収に50億円かけ、ソフトブレーン社から入ってくるのは配当収入8000万円のみ。何やっとんじゃ、という感じでしょう。

 

結論としては、株式投資の決算発表には魔が潜む=何が起こるか分からないため、決算前、特に本決算前には利益が出ているのであれば早々に手仕舞いするのが正解なのだと痛感しました。