マーケティングという言葉ほど曖昧でいい加減な言葉はない
僕はもうすぐ40歳になりますが、社会人として生きてきた中で、初対面の人から
「どんな仕事をしているんですか?」
かと尋ねられて
「マーケティングの仕事をしています」
と答え続けてきました。
しかし、つくづく思います。
マーケティングという言葉ほど曖昧でいい加減な言葉はない、と。
マーケティングという言葉に強い違和感を持ったのは新卒の時
僕は新卒の会社で、ERPパッケージソフトの開発会社にいました。ビジネスモデルは直販なしの代理店販売です。
その代理店の一社の窓口だったAさんという人がいて、その人の名刺には「マーケティング事業部」なる部署名が書かれていました。その人がある日突然その会社を辞めると連絡を貰い、上司と一緒に送別会として一席設けることになりました。
Aさんは、その送別会の席で、お酒を飲みながらポロリと辞める会社の愚痴を漏らしました。
「マーケティング事業部なんて名ばかりで、実際には雑用押し付けられ部署ですよ」
マーケティングという言葉に漠然とした憧れを抱いていた僕は、このAさんの言葉に大きなショックを受けました。マーケティングという言葉そのものに違和感を覚えるようになりました。
MBAのクラスでその違和感の正体が分かった
当時、マーケティングについてきちんとした勉強をしたことがなかった僕ですが、その後米国の中堅MBAプログラムに留学し、そこである授業を受けました。
「セールスマネジメント」というクラスです。教授はローズ教授という人で、マーケティングとアントレプレナーシップの教授でした。大学のサイトを見たらまだディレクトリーにプロフィールが掲載されていたので、現役のようです。
このクラスで何を学んだのかもうほとんど忘却の彼方ですが、一つだけよく覚えているのが、B2CとB2Bのそれぞれの購買行動において、営業とマーケティングの果たす貢献度の比重が違う、という話でした。
簡単に図解すると以下のようになります。
教授の研究によると、何かを販売する過程において、B2C(一般消費者向け)のビジネスにおいてはマーケティング活動が販売に大きな影響を及ぼす反面、B2B(法人向け)ビジネスでは結局営業力がマーケティングよりも大きな影響がある、というものでした。
新卒の会社はもちろんB2B、しかも数百万〜数千万円するソフトウェアです。恐らく営業が花形で、マーケティングの部署の実態は「営業支援部」だったのでしょう。
マーケティングの定義や機能は人や会社によって違いすぎる
何が言いたいのかというと、マーケティングの定義や機能は人は会社によって違いすぎる、ということです。
営業は理解するのがとても簡単ですが、マーケティングは営業活動以外の販売に関わるすべての要素がぶち込まれているように感じます。
実際には営業以外の販売活動を分解すると、実に多岐に渡ります。広告宣伝、市場調査、価格決定、ブランディング、商品企画、販路開拓、サイトやソーシャルメディアなどの運営、セミナーやプリセールスなど本当にいろいろです。
マーケティングの仕事に就こうと思って就職や転職活動をしてる方がいれば、面接の質問で面接官に次の質問を聞いてみてください。
「御社にとってのマーケティングとは何ですか?どのような機能を果たしていますか?」
いろいろな会社に尋ねると実に多用な答えが帰ってくるのではないかと思います。
曖昧だからこそ、自分なりの定義を持つことが大切ではないか
で、今回の記事の結論です。
曖昧だからこそ、自分なりのマーケティングの定義を持つことが大切だと僕は考えています。
書籍を紐解けば、ドラッカーやコトラー、ケビンケラーなど様々な研究者たちの考え出した定義はあります。
しかし、非常に興味深いことに、実際にマーケティングの仕事に従事している人たちの日々の頭の中では、こうした定義はあまり意識されていないのが現状ではないかと思います。少なくとも、僕の働いてきた職場では、誰かの口から聞いたことがありません。
自分なりの定義を持てば、曖昧でふわふわしたものに、一本硬い柱を打ち立てることができます。こうした柱は自分のキャリアを築く上でのストーリーラインを描く上でとても助けになります。
ちなみに、僕にとってのマーケティングの定義は
「売れる仕組みづくりをすること」
です。
「売れる仕組みづくり」というテーマでは、前職のプロバイダーで見聞きしたことが非常に衝撃的でしたが、この話はまた別のエントリで書きたいと思います。
ビジネスマンが意識しておきたい「仕事」と「作業」の違い
- 「仕事」は積み上がっていくもの、「作業」はただ消費されていくもの
- 「作業」と「仕事」の切り分けはミクロとマクロの視点で
- 「作業」「仕事」の比重とアウトプットの差
- 「仕事」をする時間を増やすには「作業」を減らすしかない
- 具体的に「作業」を減らす「仕組み化」の方法
「仕事」は積み上がっていくもの、「作業」はただ消費されていくもの
忙しいビジネスマンは様々な日々の業務に追われています。しかし、日々の業務を進める上で、「仕事」と「作業」を切り分けることは非常に大切な事だと思います。この二つの違いを自分でしっかりと認識していないと、漫然と時間ばかりが過ぎてしまい、自己成長という意味でも、会社へのアウトプットという意味でも十分な結果を残せなくなる可能性があります。
僕の中の定義だと、「仕事」と「作業」の違いは以下のようなものです。
仕事:積み上がっていくもの、付加価値をつけられるもの、クリエイティブワーク
作業:ただ消費されていくもの、付加価値がつけられないもの、ルーティンワーク
イメージ的には以下のような感じです。
「作業」と「仕事」の切り分けはミクロとマクロの視点で
この切り分けにはミクロ、マクロの視点が必要になります。
個人のレベルでは日々の業務の中で何が仕事で何が作業なのかを意識する事で、自分自身の成長速度やアウトプットに大きな差をつける事ができます。
日々の業務を振り返ってみて、繰り返しが発生しているものがあれば、それは「作業」の可能性が非常に高いと思います。
逆に今の業務を通して、新しいことを学んでいたり、アウトプットが以前よりも大きくなっていたり、より短時間でできるようになっていいれば、それは「仕事」をしている可能性が高いと思います。
マクロの視点では会社という観点に立って、何が会社にとっての「仕事」で何が「作業」なのかを考えることです。こうしたことを意識すると会社の中でどんなキャリアを築けばよいのか、大きなヒントになります。
例えば、会社にとってコアではないと思われる業務があったとすると、丸ごとビジネスアウトソーシングの対象になってしまう可能生があります。ですから、会社視点の切り分けでは、自分が社長や事業部長の立場になって考えてみることが大切です。
「作業」「仕事」の比重とアウトプットの差
「作業」と「仕事」どちらに比重をかけているのかはアウトプットに大きく影響します。なぜなら、「作業」はレバレッジが効かないことが多いのに対し、「仕事」はレバレッジが効きやすいからです。
レバレッジとはてこの原理のことですが、実際にてこの図を使って図解してみたいと思います。以下は、「作業」と「仕事」をそれぞれ左右において、真ん中にてこの支柱を置いてみた図です。
これが、「作業」に時間が取られていると、以下のようになります。アウトプットの大きさがかなり限定されてしまいます。
一方、「仕事」の比率を上げると以下のようになります。アウトプットに大きな違いが生まれます。
「仕事」をする時間を増やすには「作業」を減らすしかない
「作業」と言うものが罪深いと思うは、「作業」は時間をたくさん消費するため、何となく仕事をしている気分になってしまうことです。
しかし、「仕事」をする時間を捻出するには「作業」を減らすしかありません。そして、作業を減らす方法は「仕組み化する」ことです。
イメージ的には以下のような形です。逆三角形になって業務に押し潰されている今の状況を、「作業」を圧縮することによって自動的に「仕事」ができる時間を捻出できるようにするのです。
具体的に「作業」を減らす「仕組み化」の方法
具体的な作業の仕組み化には、いろいろな方法があります。以下は僕が今の職場で実践している方法です。
- プロセスを簡素化する
- 業務を他部署に移管する
- システム導入
- エクセルの場合はマクロの活用
- 外注(クラウドソーシング)
- 派遣社員やバイトを雇う
考える順番としては、まずその作業をやめることができないか、というところからスタートします。できなければ、そもそも自分の部署でやる必要があるのか考えます。
次に、ITの力でカバーできないかを検討します。システム導入と言っても、最近は月額を払って使える優秀なASPサービスが数多くあります。これらを検討することができます。エクセルを多用される場合は、マクロを組むのも一つの案だと思います。
最後に、外注や派遣社員、バイトの活用を考えます。今の職場ではクラウドワークすなどのクラウドソーシングを多用しています。クラウドソーシングは当たり外れがあるものの、良い業者を見つけることができれば、非常に安い単価で作業を片付けることができます。
頻繁にコミュニケーションが発生する場合は、外注すると逆に管理工数が高くなるので、派遣社員やバイトの活用が選択肢になります。
So-net NURO光を自宅に導入したら速度がぶっ飛んだ。インターネット接続の仕組みからNURO光を考える
僕は数年前までプロバイダーに勤務していたのですが、当時出てきたサービスで最も驚いたのがSo-net のNURO光です。結局、自宅に導入したのですが、今回はインターネット接続とNURO光仕組みを紹介してみたいと思います。
そもそもインターネット接続の仕組みってどうなってるんだっけ?
インターネット接続の世界をよく知らない人向けにちょっと解説してみると、固定回線でインターネットに接続する仕組みは以下のようになっています。
インターネット回線業者はNTT東西が圧倒
インターネットの世界に繋がるまでに、2つのプレイヤーを経由しています。まずは、インターネット回線を提供している回線事業者です。回線事業者は、莫大な投資をして、光ファイバー網を全国に張り巡らせています。
投資額があまりに大きいので、参入できる業者の数はかなり限られています。以下はMM総研が発表している2017年3月時点の光ファイバーの回線事業者とサービス別のシェアです。
サービス別は、プロバイダーのことではなく、インターネット接続回線のサービス名のことです。サービス名を見るとフレッツ光、ドコモ光、auひかり、Softbank光、eo光、コミュファ光、UCOM光などの名前がずらりとありますが、回線事業者を見るとNTT東西がシェアを圧倒しています。
つまり、インターネット回線サービスの多くは、NTT東西やKDDIが引いた光ファイバー網を借りて提供している訳です。
プロバイダーは何をしているのか
では、インターネットサービスプロバイダー(ISP)は何をしているのでしょうかインターネットサービスプロバイダーは回線そのものは持っていませんが、回線をインターネット接続網に繋げるための出入り口を提供してくれています。
以下が、MM総研が発表している2017年3月時点のインターネットサービスプロバイダーのシェアです。ノジマに売却された@niftyの漲落ぶりが何とも切ないですね。
インターネットの速度はインターネットの回線に依存している
時々、同じフレッツ光でも、A社のフレッツは遅くて、B社のフレッツ光の方が早いと言った表現を聞くことがありますが、同じインターネットの接続回線ならば、プロバイダーを変えても速度は変わりません。
So-net NURO光とは何なのか?
So-net NURO光とは、インターネットサービスプロバイダーの一つであるSo-netが2013年にサービスを開始したインターネット接続サービスです。
このサービスが業界でどれだけ衝撃的だったのかは、以下の図をみれば少しお分りいただけるかと思います。
インターネット回線事業者にとって、プロバイダーは自分のサービスを売ってくれる代理店のようなものです。ですから、ユーザーは今までインターネット回線事業者とプロバイダーの2つに別々の契約を強いられてきたわけです。
しかし、この代理店の一つが、ある日突然
「回線事業も美味しそうなので、自分たちも回線事業を始めちゃいました。アハ!」
と言ってきた。まあ、こんな感じです。
NURO光のインターネット回線の正体はNTT東のダークファイバー網
インターネット回線としてのNURO光の正体は、NTT東のダークファイバー網です。ダークファイバーとは何とも怪しい名前ですが、決して怪しいものではありません。
NTTは莫大な投資をして、日本全国に光ファイバー網を広げていきました。しかし、この光ファイバー網ですが、全然使いきれていないのです。全国に高速道路を張り巡らせたが、車はスカスカ。
そこでNTTが考えたのが、使っていない光ファイバー網のレンタルサービスです。このあまり使われていない使っていない光ファイバー網のことを「ダークファイバー」と呼ばれています。
So-net はこのダークファイバーをNTT東から卸してもらい、プロバイダーサービスと合わせてワンストップサービスとしてユーザーに提供している訳です。
ただ、今のところ一都六県だけがサービスの提供範囲となっています。
NURO光の特徴は伝送規格とONUにある
NURO光の速度の秘密は、伝送規格G-PONにあります。伝送規格光ファイバーでデータを転送する時の技術のことですが、以下の通り、フレッツやauひかりが採用しているGE-PONと比較すると最大速度に大きな優位性があります。
サービス | NURO光 | フレッツ・auひかり |
---|---|---|
伝送規格 | G-PON | GE-PON |
最大速度 | 2.48Gbps | 1.25Gbps |
他社もG-PONに切り替えればいいじゃん!と思うかもしれませんが、GE-PONからG-PONへの切り替えには莫大な投資が必要になるため、そう簡単ではありません。
現時点では2Gbpsの速度は活かせない
さらに、もう一つ別の問題があります。それは、基地局から自宅のホームゲートウェイまでは最大2Gbpsが実現できますが、ホームゲートウェイからパソコンまでは通常のLANケーブルを使うことになります。
このLANケーブルの最大転送速度が1Gbpsなのです。
どんなに速いスピードで自宅まできても、自宅で強制的に速度を落とされてしまう訳です。新幹線で走ってきたのに、強制的に快速に乗り換えなければならないようなものです。
参考までに、以下の黒いものが僕の自宅にあるホームゲートウェイ(ONU)です。左の白いものはひかり電話用の機器です。
それでもNURO光は速い
しかし、NURO光の速度は本物です。以下は、自宅でデスクトップPCから速度を測ってみたものですが、上下ともに800Mpbsを超えています!
さらに、ONUに内臓されている無線Wifiの速度ですが、これも十分なレベル。下り36Mbps、上り27Mbpsです。この速度はフレッツ光のマンションタイプでLANケーブルを使って出ていた速度と同じくらいです。
料金面でもNURO光は優位
以下は、主要3サービスの月額基本料金の比較です。インターネット接続は複雑怪奇な割引キャンペーンのオンパレードですが、光回線の契約は長期に渡ることが多いため、割引キャンペーン終了後の金額で比較することがポイントです。
サービス | NURO光 | フレッツ光 隼 | auひかり |
---|---|---|---|
速度 | 2Gbps | 1Gbps | 1Gbps |
光月額料金 | 4,743円 | 6,200円〜7,200円 | 4,900円 |
ひかり電話 | 500円 | 500円 | 500円 |
フレッツ光の料金に幅があるのは、プロバイダー料金に各社違いがあるからです。また、auひかりは一年目、二年目、三年目に段階的に料金が下がってくるため、三年目の料金を記載しています。
こうして見ても、NURO光の方が安いことがわかります。
まとめ
いろいろと書いてきましたが、NURO光は間違いなく速度重視のユーザーにはおすすめのサービスです。残念ながら今のところ関東の一都六県しか対応していませんが、戸建、マンション両方対応しています。詳しくは以下のページを参照ください。
業界、職種、昇進。 新卒の人たちに知って貰いたい、キャリアを考える3つの軸
社会人になって十数年ですが、新卒の時に本当に知っていれば良かったと思うのが、キャリア形成の基本戦略です。当時は当時で、いろいろな本を読んで考え方を学んではいたのですが、振り返ってみると、どうにも腹に落ちていなかったというのが正直なところです。
まあ、学生は実務経験がないので、どうしても思い込んだイメージ先行なので仕方のない部分があるのですが。
もし、大学3年生の僕に、今の僕がキャリア形成の基本戦略を教えるとしたら、何を伝えるのか、ちょっと考えてみました。
- キャリア形成の3軸は、業界、職種、昇進である
- 業界と職種のマトリックス
- スタッフ職は業界を飛び越えるのが簡単
- ライン系は横滑りでキャリアを広げるべし
- ラインからスタッフへの移動は、同じ会社なら可能性がある
- 業界も職種も異なるキャリアチェンジは日本では難しい
- 研究・技術職は潰しがきくかどうか
キャリア形成の3軸は、業界、職種、昇進である
まず、最初に教えたいことは、キャリア形成の3つの軸です。それは、業界、職種、昇進ということになります。この3つは、それぞれ密接に関わっていて、図に表すと3次元の立方体になります。
業界は、産業のカテゴリで、細分化していくと「会社」という単位になります。つまり「どこで働くか」という質問に答えるものになります。
職種は、その業界や会社の中で「自分は何をするのか」という答えに関わるものです。職種には、お金を稼ぐことに直結する仕事をする「ライン」と呼ばれる種類の人たちと、そのラインをバックアップする「スタッフ」と呼ばれる人たちに分かれます。
そして最後の昇進が、その会社の職種で、どのくらいの地位にいるのか、ということです。通常、日本の会社では、会長、社長、専務、常務、事業部長、課長、主任といったヒエラルキーが会社の中に存在しています。
キャリア形成を考える上では、この3つの軸によって構成されている立方体を、どのように動いていくのかを考える必要があります。中でも、業界と職種のマトリックスを理解することは、非常に大切だと思います。
業界と職種のマトリックス
これが、業界と職種のマトリックスです。本当は業界も職種ももっといろいろあるのですが、こんなイメージです。どこで、何をするのか、という表ですね。
新卒で就職する、ということは、このマトリックスのどこかのボックスに、自分が位置付けられるということです。
キャリア、というのは連動しているため、最初のキャリアは次のキャリアに繋がり、次のキャリアはさらにその先のキャリアに繋がっていきます。
新卒で入社する会社が大切だ、というのはこうした理由もあると思います。
スタッフ職は業界を飛び越えるのが簡単
先ほど、ラインとスタッフについて簡単に説明をしましたが、スタッフ職の代表的な職種は人事や経理です。これらスタッフ職の人材は、転職をするときには、比較的簡単に業種を飛び越えることができます。
例えば、私の友人は最近まで外資系メーカーの人事部に勤務していましたが、突然小売業の人事部に転職をしました。全く違う業界ですが、業界の違いが転職のハードルにならなかったのです。
理由は簡単で、経理や人事の仕事は、業界によって多少の違いはあるといえど、基本的な仕事内容が変わらないからです。どの会社の経理も、同じようなルールの元で仕事を進めていますし、人事部も同様です。
ライン系は横滑りでキャリアを広げるべし
一方、ライン系は業界を越えるハードルはスタッフよりも高く、近い業界、近い職種に横滑りしていくのがよくあるパターンです。
例えば、僕の幼馴染に天才的な男がいるのですが、彼の場合は新卒で某日系IT企業の法人営業を経験した後、MBAを優秀な成績で卒業。その後外資系IT企業のマーケティング職につきました。
営業とマーケティングはかなり密接に関わっていますから、営業からマーケティング、というのはよくあるパターンです。
僕の幼馴染は、その後さらに昇進し、現在は米国本社でグローバルマーケティングマネージャーとして世界を飛び回っています。
ラインからスタッフへの移動は、同じ会社なら可能性がある
ラインからスタッフへの移動は、転職の場合はかなりハードルが高くなります。なぜなら、転職の場合は往々にして即戦力を求めているからです。
しかし、同じ会社であれば話は変わってきます。同じ会社の場合は、人柄も能力も実績も全てわかっていますから、中長期的な視点に立って、会社にとって有益だと判断されれば、ラインからスタッフへ移動することもあります。
例えば、日系化学メーカーに勤務している僕の友人は、数年前に営業から人事部に移動になりました。一部の日系企業では、ラインの仕事を数年経験した後、人事部で数年過ごし、管理職になっていく、というのが出世コースのようです。
業界も職種も異なるキャリアチェンジは日本では難しい
米国のMBAプログラムに行って最も驚いたことの一つは、クラスメイトたちのMBA入学前と卒業後の進路のバリエーションの多さです。
例えば、ある女性のクラスメイトは、大学では声楽を専攻し、音楽の博士号も持っていました。MBAに入る前はアイダホの大学で声楽を教えていましたがリストラ。MBAプログラムに入って組織行動学を専攻し、卒業後の進路はバンク・オブ・アメリカの人事部です。
日本ではちょっと考えられないようなキャリアチェンジですが、こうした業界も職種も全く違うキャリアの道が開かれる例は米国のMBAではたくさんあります。
しかし、業界も職種も異なるこうしたキャリアチェンジは日本では難しいのが現状だと思います。理由は、日本は職歴重視で即戦力が求められるからです。
アメリカでも即戦力が求めらえるのだと思いますが、アメリカの雇用契約の基本は「at Will」と呼ばれるもので、雇用主が雇う意思がなくなれば、簡単にクビを切ることができます。つまり、「使えなければ切ればいい」とアメリカの雇用主は考えているわけです。
日本の場合は、労働法によって厳しく労働者が守られているため、一度正社員として雇ったら本当に辞めてもらうのが大変です。
研究・技術職は潰しがきくかどうか
難しいのが、研究・技術職です。研究・技術職は、持っている技術は専門知識がどれだけ汎用性があるかが鍵となります。IT関連技術の場合はかなり汎用性があり、システム開発やネットワーク構築などは、どんな業界でも同じような技術力が求められます。
僕の友人の一人は、最近IT業界から自動車メーカーに転職しました。何をしているのか尋ねると、車を制御するソフトウェアの品質チェックとのことで、業界は違っても、全く同じスキルを使っています。
しかし、研究職は分野によっては特定の業界の、特定の会社でしか原子力などはよい例だと思います。こうしたニッチな領域はいわゆる「潰しがきかない」分野で、転職先の数はかなり限られてしまいます。
仕事選びに役に立つ、天職の3つの条件
社会人として、天職を見つけたいと思ったことはありませんか?
そもそも、天職とは、国語辞典を見ると以下のように定義されています。
天から与えられた職務、その人の性質・能力にふさわしい職業。( 三省堂 大辞林)
米国のMBAプログラムに在籍していたときに、キャリアディベロップメントのクラスがあり、そこで仕事選びの3つの条件を教えて貰いました。僕は、この3つの条件を満すことができる仕事が、天職と呼ばれるものではないかと考えています。
その3つとは以下です。
1)自分が好きなこと
2)自分ができること
3)社会ニーズがあること
一つずつ、解説してみたいと思います。
- 自分が好きなこと
- 自分ができること
- 社会ニーズがあること
- 自分が好きで、能力もあるが、社会ニーズがない仕事
- 能力があってニーズもあるが、自分がまったく好きではない仕事
- 自分が好きで、社会ニーズもあるが、まったく能力を発揮できない仕事
- 3つの条件が揃うと天職になる
自分が好きなこと
仕事が自分が好きなことでなければ、毎日は本当に苦痛でしょう。逆に、好きなことでれば努力することも苦痛ではないと思います。
自分ができること
自分ができることは、自分に実際にできる能力があるかどうかです。ここのポイントは、自分の能力が一般的な平均よりも上回っていることです。平均よりも上回っているからこそ、人から認められ、良い評価を受けることができます。
社会ニーズがあること
これは市場が存在しているか、ということです。言い方を変えると、十分なお金を払ってくれる人が存在しているか、商売をして成立するか、ということです。中には、社会的ニーズがあっても、そこで働く人に十分なお金が払われないようなものもあります。福祉関連の仕事などは、その類いかもしれません。
これら3つは、組み合わせて考えるといろいろなことが分かります。
自分が好きで、能力もあるが、社会ニーズがない仕事
まず、自分が好きで、能力もあるが、社会ニーズがないものです。これはいわゆるアマチュアの趣味、ということになります。例えば、ガンプラが好きで、すごく上手く作れるが、独立しても食っていけない。。こういうやつですね。
能力があってニーズもあるが、自分がまったく好きではない仕事
次が、能力があってニーズもあるが、自分がまったく好きではない仕事。不幸の坂道とでも言いましょうか。これは、会社の事業内容や理念に共感できないような時によくおこります。働いても、働いても満たされない。
自分が好きで、社会ニーズもあるが、まったく能力を発揮できない仕事
自分が好きで、社会ニーズもあるが、まったく能力を発揮できないものはどうでしょうか。MBAの教授はこの類をロッキーと表現していました。要するに、満員の観客がいる(市場がある)リングに上がって試合を始めるが、ボコボコにされる、ということでした。
3つの条件が揃うと天職になる
教授は、3つの条件が揃った仕事だったら、本当に幸せなキャリアを築けるという結論でした。自分が好きで、能力を発揮して結果も出せ、かつ十分な報酬も貰える。最高ですね。
でも、物事がそれほど単純ではないと思うのが、最初は好きではなくても、継続する中で好きになるものもあったり、能力が追いついてくるものもあると思います。ですから、どのタイミングで見極めるか、というのが存外難しかったりします。
唯一例外だと思うのが、社会ニーズです。これは、いろいろな業界の平均年収や市場規模などを調べる事で、最初の段階で客観的に調査する事が可能です。
株探とYahooファイナンスを使ってこれから上がる株を見つける方法で日本エスコンを買ってみた
株式投資を始めて2年ほど。ネットで稼いだお金をコツコツと投資に回しています。少ない資金ですが、一応ほとんど負けなしで資金を増やすことができています。
全く株式投資を知らないところから始めて、試行錯誤を繰り替えし、ようやく効率的に投資する銘柄を選ぶ方法が分かってきました。
今自分が実践している、株探とYahooファイナンスを使ってこれから上がる株を見つける方法を解説したいと思います。
株を選ぶ基本は「高配当低位株」
僕が株を選ぶ基本方針は、高配当+低位株 です。
高配当とは、配当金をしっかりと出してくれるところで、最低でも3%を目安としています。
これは2つの意図があり、一つは値下がりした時のリスクヘッジです。株が値下がりして含み損が出ると売却できなくなり、塩漬けとなる可能性があります。
そんな時、配当金をちゃんと出してくれる銘柄であれば、放置しておくだけで損失を配当金で穴埋めしてくれます。
もう一つは、高配当という特徴そのものが「買い」を誘うキーワードだからです。特に配当金が貰える権利が確定する月は、株価が上がりやすい傾向があります。
低位株についてですが、低位株とはその名の通り、株価が低く抑えられている株のことを指します。人によって低位の基準は変わってきますが、僕は株価が500円以下を目安にしています。
もちろん、安ければ安いほど良いのですが、安い株には安いなりの理由があるため、300円以下の株は安心して買える株は少ないというのがいろいろな銘柄を見て感じる実感です。
低位株の罠を避けるために株探を使おう
株式投資を始めた1年ほどは株価スクリーニングサイト等を使って高配当低位株を探しては投資をしていました。以下が1年ほど使っていたサービスです。
しかし、低位株には低位株の罠と呼ばれるリスクがあります。それは、低位のまま株価が上がらないことです。
もともと人気がないので株価が安いのですが、安いまま時間だけが過ぎていく。これが低位株の罠です。
ですから、投資する側としては、「高配当」+「低位」+「これから値上がりする」株を探したい訳です。そこで出てくるのが、株探です。
株探は銘柄選びをサポートしてくれる便利なサイトです。この中に、四半期ごとに業績が上振れする可能性が高い有望銘柄を探せるページがあります。
例えば、以下が第一四半期時点の中間期上振れ銘柄を検索できるページです。株価、中間期進捗率、5年平均進捗率、決算期間、PER、PBR、利回りの7項目で並び替えることができます。
この中から、以下の条件に合う株を探していきます。
・株価:500円以下
・利回:3%以上
・PER:20倍以下
・PBR:1倍以下
・対中間期進捗率と5年平均進捗率の乖離が大きいもの
条件に完全に合うものがなくても大丈夫です。で、2017年6月時点で探してみると一つだけ条件に合う株がありました。8892 日本エスコンです。
銘柄の詳細はYahooファイナンスのアプリで調べる
買ってもいいかな、という銘柄が見つかったら、スマホのYahooファイナンスのアプリで詳細を調べます。企業情報、過去の業績、掲示板で直近の投資家たちの動向などをチェックします。
これで、購入してもいいかな、と思ったら即購入です。
以下は日本エスコンが株探に掲載されてからの株価の動きです。+60円くらいになっています。
まとめ
株式投資の銘柄を絞り込む方法はいろいろありますが、この方法は今僕が実践している最も効率的な方法です。実際に、僕は日本エスコンの株を購入しました。
追記(2018年1月19日)
この記事を描いてから半年過ぎましたので、その後どうなったのか記載しておきたいと思います。
日本エスコンですが、8月の第二四半期決算で一時暴落したものの、2ヶ月ほどで持ち直し、その後順調に右肩上がりを続けました。12月にはエスコン社が
- 業績上方修正
- 増配
- 自社株買い
の3つの実施を発表し、ストップ高で730円超え。その後配当落で一時下がりましたが、半年スパンで見ると確実に株価が上がり続けたことが分かります。
まあ、すべては結果論ですが、株主を大事にしてくれる企業で本当にラッキーでした。
僕は12月末に予定通り利確し、その後配当落で下がったところを買い戻し、本日19円のプラスで再び黒転しました。また暫くおつきあいが続きそうです。