メイド香港月4万円、フィリピン月1万円、そして日本は・・・? 各国の家政婦事情を同僚から学ぶ

先日、職場でクラスターミーティングなる会議がありました。クラスターミーティングとは、同じか近いTime Zoneの担当者が集まって、3、4日集中的に様々な話題について会議をする、というものです。

話し合いの結果、僕が働く東京オフィスがホスト会場に選ばれ、ニュージーランド、香港、フィリピンから担当者が集まりました。

ネット経由のテレビ会議では年に数回会っていましたが、実際に彼らと会うのはほぼ初対面。しかし、数日一緒に時間を過ごすに連れて打ち解けていきました。

レストランで食事をしながら、自宅で何を食べているのか、という話題になりました。というのも、香港人の担当者の奥さんは韓国人なので、韓国料理をがよく出てくるのかと思ったのです。

僕「香港では何を食べてるの?やっぱり韓国料理?」

香港の担当者「韓国料理はあんまり食べないね。フィリピン料理ばっかり」

僕「フィリピン料理? 奥さんはフィリピン料理が好きなの?」

香港の担当者「料理はフィリピン人のヘルパーが作ってくれるんだよ」

僕「ええ!?」

香港の家政婦事情

詳しく聞くと、月5万円くらいでフィリピン人の家政婦を雇っていて、彼女が家事を全部やってくれるのだという。このフィリピン人の家政婦が、住み込みで週6日働いてくれる。

香港の担当者「ヘルパーがいるから、奥さんは韓国に帰りたがらないんだよね」

そりゃそうだろう。

日本ではお金持ちしか家政婦なんて雇えないと皆んな思っているし、実際にそうだと思う。しかし、香港では中流階級以上であれば、家政婦を雇うのは実に普通のことだという。

「どうやってそのヘルパーを見つけたの?」

香港の担当者「知人の紹介だね。でも、いろいろと手続きがあるから、契約するときはちゃんとエージェントを通したよ」

契約は基本二年なのだが、一ヶ月前の通知で解除することができるという。

しかし、家族でもない人と一緒に暮らすというのは正直抵抗がある。

香港の担当者「まあ、日本人からするとちょっと変だと思うかもしれないけど、香港ではごく普通だからね」

そもそもなぜフィリピン人が香港で家政婦をやっているのかというと、物価が全然違うからということのようです。

というのも、フィリピンでは新卒の月収が2万円ほど。香港で月5万円貰ってまるまるフィリピンの実家に送金すれば、かなり実家の家計は助かるはずです。

日本の感覚に直すと、外国に出稼ぎに行った高卒の娘が、毎月40万〜50万円を実家に送ってくれるようなものです。これはでかい。

香港の物価は日本よりも同じかやや高いくらいだと思いますが、住み込みであれば家賃も光熱費も食費も不要です。

また、現実問題として、フィリピン人も香港人も英語が話せるため、言葉の壁がないのも大きい。

僕がいろいろと香港人の担当者に質問している間、フィリピンから来た担当者はずっと黙っていました。

僕(あれ、もしかするとフィリピン人が家政婦として働いているという話題に、同じフィリピン人として気を悪くしたかな)

そう思っていると驚きの話しがフィリピン担当者から。。

フィリピンの家政婦事情

フィリピンの担当者「実は、うちにもヘルパーがいるんだ」

香港の担当者「一人?」

フィリピンの担当者いや3人。一人はシェフで、二人は家事全般

「えええ!?」

聞くと、フィリピンはもっと安くて月1万円で家政婦を雇えるのだという。香港と同じく、住み込みで働いて家賃も光熱費も食費も不要であれば、手取り10万円というのは現実的な価格たいなのかもしれない。

「ちょっと待って。ヘルパー3人って、家はどのくらいの大きさなの?」

フィリピンの担当者ベットルームは8室あるね」

リビングの写真を見せてもらうと、40畳くらいはある。豪邸だ。

フィリピンの担当者「いや、勘違いして欲しくないのは、これは自分の家じゃなくて、義理の父の家なんだよ」

彼の話しによると、義理の父はフィリピンの外交官で、エリート官僚だったようだ。一時期アメリカの大使館で働いていたというから、かなり優秀な人だったのだろう。その義理の父は今は退職してアメリカで暮らしているため、娘夫婦に住んでもらっているということだという。

フィリピンの担当者は、狭い自分の家は賃貸に出しているとのこと。

日本で家政婦を雇うのは現状高すぎる

帰宅してから、日本で家政婦を雇うにはいくらかかるのか調べてみました。

あるサイトに料金シミュレーターがあったので週7日、9時から18時の条件で調べてみると週10万円とのこと。一ヶ月だと40万円(汗)。しかも、交通費が別でかかる。

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こんなお金払えるわけありません。

メイド喫茶なるものが日本で流行るのは、もしかすると住み込みの家政婦やメイドなるものがあまりに一般的でなさすぎるからかもしれません。