富士山の山小屋で働いている人は何者なのか? また山小屋は儲かっているのか?
夏休みに子供と富士山登山に行ってきました。初めての富士山登山ということで、最も初心者に優しいという吉田ルートを選択。無理せず七合目の山小屋で一泊する、というコースでした。
泊まった山小屋は七合目トモエ館。
まあ、今回初めて山小屋なるものに泊まったのですが、聞いていた通り、山小屋は決して快適とは程遠い宿泊施設でした。最大の理由は狭すぎる寝床。畳1畳に二人で寝なければならない訳で、寝返りを打つのも一苦労です。
山小屋の営業期間はたったの2ヶ月
富士山の山小屋はほとんどの場合、7月1日から9月の第1週くらいまでしか営業をしていません。超短期の営業です。
2ヶ月しか営業しない山小屋で働いている人は一体何者なんだろう?
疑問を持ったら本人に聞いてみよう!ということで、話ができそうたタイミングを見計らって、いろいろと質問をしてみました。
僕「あの、山小屋って営業期間がすごく短いですよね?営業していない時期は何をされているんですか?」
山小屋の人「働いていますよ。別のところで」
僕「え、じゃあ仕事が二つあるということですか?どちらが本職なんでしょうか?」
山小屋の人「どちらが本職と言われても・・両方ですね」
僕「具体的にどんなお仕事なんですか?」
山小屋の人「実は、山小屋で働いている人の多くは、周辺街で働く宮大工が多いんですよ。何せ、山小屋は冬の期間にかなり痛むので、自分でメンテナンスする必要があるからね」
宮大工!なるほど、かなり合点がいきます。
僕「じゃあ、やっぱりおじさんも大工さんなんですか?」
山小屋の人「いや。自分は実家が自営業なので、営業していない時期は家業を手伝ってますよ」
果たして山小屋は儲かるのか?
果たして山小屋は儲かっているのか?さすがにこの質問は山小屋の人も答えてくれそうにないので、勝手にシミュレーションしてみました。以下、計算です。
吉田ルート登山客数 | 150,000 |
山小屋利用率 | 60% |
山小屋宿泊者数 | 90,000 |
山小屋数 | 14 |
山小屋あたりの宿泊者数 | 6,429 |
一泊あたりの単価 | 8,000 |
山小屋あたりの売上 | 51,428,571 |
従業員数 | 4 |
1従業員数あたりの売上 | 12,857,143 |
まず、吉田ルートの昨年の登山客の数は15万人となっています。
で、この15万人のうち、どのくらいの人数が山小屋を利用しているのか。この数字がよく分かりません。そのため、仮に6割と仮定しておきます。
すると、吉田ルートの山小屋の利用者数は9万人ということになります。
これを14ある山小屋で割ると一つの山小屋で約6400人の利用があることが分かります。
一人当たりの単価はこれもコンサバに8000円と見積もっておきます。すると、2ヶ月の営業でも5,000万円くらいの売上が見込めるということになります。
トモエ館では、4人くらい従業員がいたと記憶しているので、さらにこれを4で割ると一人当たりの売上は1200万円ということになります。
いずれにせよ、ビジネスとして十分成立しそうな規模であることが分かります。僕は絶対にやりたくありませんが。笑